「玄関に高い吹き抜けを用意して明るい雰囲気にしたい」「3階建てのおしゃれな家がいい」「広いルーフバルコニーをつけたい」…マイホームを建てるときにはさまざまなことをイメージするでしょう。もちろんそれは大事なことです。ただ、建物を建てるにはさまざまなルールがあります。地震が多い日本では、耐震強度について特に厳しいルールがあり、建築基準法を守らないと違法になってします。デザイン性と安全性、両方あわせ持った住まいにしたい…そんなときに頼れるのが建築士です。
建築士の仕事は、お客さんが持っているイメージの具現化に向けたサポート。希望をヒアリングしながら、それを実現するための具体的な計画を練っていきます。形や耐久性、材木の使い方などを計算し、時には予算内に収めるための節約アイデアなどを盛り込みながら設計していきます。
今の住環境に抱いている悩みも、建築士の手にかかれば解決できるかもしれません。狭小住宅なら空間を広々と使えるように設計する、高齢者がいるならバリアフリー設計にする、騒音の気になる地域なら静かに暮らせるような防音の設計を考えるなど、多彩なアイデアを出してくれるからです。建物を通して、安心して暮らせる環境を提供してくれる建築士。完成したマイホームを見たら、きっと建築士に感謝したくなるはずです。
建築士の資格には種類がいくつかあり、扱える仕事も変わってきます。1つ目が木造建築士。その名の通り、木造住宅をメインに扱っています。仕事が限定的なこともあって、全国に1万7,000人ほどしかいません。2つ目が二級建築士。建築士になりたい人はまずこの資格をめざします。二級建築士は全国に73万人おり、転職サイトでも二級建築士の求人や転職案件が数多くみられます。二級建築士をとり、ある程度の実務経験を積んだ人がキャリアアップをめざして取得するのが一級建築士。業界においては最上位の資格となっており、たくさんの建築士がこの資格をとるために努力しています。一級建築士は全国で34万人。二級建築士の半分以下となっていることからも分かる通り、なかなか厳しい道のようです。